関係各位

当会は、戦争を題材とした作品、およびその二次創作界隈全般について、今まで静観の立場を貫いて参りました。

しかし今般、残念なことに、そのうちの一作品において、創作活動上の紛争が発生しました。 この騒動に乗じて、題材となった当人らを軽んずるような、創作活動の一環として受け入れがたい言動が目立つようになり、憂慮に堪えず、この声明文を発出するに至りました。

戦争を題材とする創作物が持つ様々な側面は、歴史への興味関心の扉を開き、忘れ去られつつある過去に新たな行動をもたらす原動力ともなります。 一方で、利用の方法や場所によっては、周囲の心象を損なうことがあるという点を、理解し尊重しなければなりません。 数多く存在した兵器一つ一つに歴史があり、またそれぞれに特別の思い入れを持ち、戦後七十五年となる今なお慰霊に臨む人々がいます。 それら兵器の中に、来歴から花形のようにとられているものがあることは事実で、これについて申すことはございません。

しかし、その事実によって他方が軽んじられてよいという言動は真に憂慮されるべきものであり、虚実如何を問わず、あってはならないものです。 多くの人が繋がり、関わり合えることのできる現代だからこそ、私達は行動や倫理について自身に問い続けなければならないと考えております。 以後、意図してのものか否かに関わらず、分断を煽るような言動には、界隈内部の自浄作用が働くことを期待します。

駆逐艦菊月会