慰霊碑除幕式のご挨拶
皆様、本日は当会の駆逐艦菊月慰霊碑除幕式にご参列くださり、誠にありがとうございます。 本日ここに慰霊碑が完成し、お披露目をさせていただくことが出来ますのも、ここにいる皆さま、当会の会員、寿仙院の崎津住職、そして各方面で協力いただいた、日本、ソロモン諸島の方々のお力添えのおかげです。 会を代表しましてお礼申し上げます。 また、当会の存続に尽力された故酒井前世話人、菊月の3Dモデリング製作でお世話になりました故西野さんには、特別の感謝を申し上げます。
さて、私たちは平成二十九年、佐世保市にて第一回目の会合に集いました。当初は五名でのスタートとなり、「菊月を忘れ去られないよう活動していきたい。」と、会の根幹となる方向性を話し合いました。 其の後、同年から平成三十一年にかけては、ソロモン諸島へ渡り、同国の政府機関とも連携しながら菊月の調査・記録、洋上慰霊を行うなど、さまざまな実りがありました。 そして、それらの成果は、こんにちまで続く復元図面やVR菊月の作製に繋がり、継承の形をさまざまな方面に拡げることになりました。 その歩みは止まることなく今も続いています。
私たちが目指すのは、かつての記憶が忘却の彼方に失われることのないよう、細くとも長くつながる未来です。 慰霊碑の建立は、かつてを偲び想い起こさせる場をつくりたいという、当会の原点である昭和五十七年から連綿と続く悲願であり、実に四十年の歳月を経て、ようやく完成させることができました。 私たちはこの慰霊碑に、平和で明るい未来を願い、菊月をはじめとする先の戦争の歴史を伝えていければと考えております。 そして、私たちはこれからも、細く長く、牛歩であっても前向きに歩んで参ります。 簡単ではございますが、以上をもちまして慰霊碑除幕式のご挨拶とさせていただきます。
令和四年十一月五日 駆逐艦菊月会 幹事補 中西雄亮